会長挨拶

会長挨拶

 この度、日本私立看護系大学協会会長を拝命いたしました原玲子でございます。
 会員校の皆様には、平素から本協会にご協力を賜り、御礼申し上げます。
 本協会は1976年に、会員校11校で設立され、2024年度の会員校は209校(大学200校、短大9校)となりました。看護系大学の7割を私立大学が占め、私立大学の看護学教育に対する責任や本協会の役割も大きいものと考えます。

 本協会の目的は、「私立看護系大学の教育・研究および経営に関する研究調査並びに会員相互の連携と協力によって、私立看護系大学の振興を図り、その使命達成に寄与し、もって我が国の看護及び看護学教育・研究の進歩発展に貢献すること」にあります。
 会員校におかれましては、中央教育審議会答申の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」を受けて、それぞれの大学の建学の精神、大学独自の教育理念に基づき、その実現を図るために、学修成果の見える教育に取り組まれていることと存じます。

 本協会においては、2024年度の特別事業として、「ポストコロナにおける看護学教育推進事業」「看護の魅力発信事業」を前理事会より引継ぎ、実施いたします。

 「ポストコロナにおける看護学教育推進事業」は、新たな時代に向けた看護学教育の質の維持向上を目的とした特別補助事業です。コロナ禍において、会員校はICTを活用した看護学教育に取り組んで参りましたが、今後、ポストコロナの時代に向けてデジタル化に対応できる人材育成など、さらなる教育の質向上が求められています。さまざまな取り組みが企画され申請されていますが、次なるステップの足掛かりになればと存じます。

 また、「看護の魅力発信事業」は、看護を志す受験生が減少傾向にあることを背景に、デジタルネイティブ、SNSネイティブのZ世代の生徒さんが、社会的問題やSDGsの達成などに関心を持っていること、高校1、2年生を対象に、新たな科目として「総合的な探求の時間」が設けられたことに着眼し、進研アド社と連携し、副読本冊子である「探求×SDGs-地域課題解決とキャリア」に、社会的課題と看護の特色のある取り組みを掲載し、生徒が自分にとって関わりの深い課題として看護を探求するきっかけを作り、看護職をめざす学生を増やすことを狙っております。

 わが国の18歳人口が加速度をつけて減少している中、受験生については、あと数年もすれば、世代はZ世代からα世代となります。α世代は、デジタルネイティブはもちろんのこと、コロナ禍において、義務教育課程にて電子書籍を用いてデジタルで授業を行い、課題をデジタルで提出する、さらにはプログラミング学習を行っている世代となっていきます。本協会は、そうした中高生と進路選択のキーパーソンである高校の進路指導の教員や保護者を対象に、看護学を学ぶ魅力を発信するとともに、会員校の広報活動を支援する看護の魅力発信事業となるように、会員校の皆様からご意見を伺いながら取り組んでまいりたいと存じます。
 今後とも本協会の活動に、ご協力いただきたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人日本私立看護系大学協会
会長 原  玲子