看護に興味がないあなたも、
興味のあるあなたも。

さまざまな事情により病院外での看護を必要とする方がいます。
そうした方のもとに訪問し、本人・家族へのサポートを行う仕事です。健康状態や病状の観察、薬の相談・指導、ご家族の介護支援・相談などの業務を行います。

訪問看護ステーションに勤務し、その訪問看護ステーションから利用者の方のご自宅や介護施設などを訪問します。1日に4〜5軒の訪問を行うのが一般的です。

看護師資格が必要です。一般的に3 年以上の臨床経験を求められるケースが多いですが、訪問看護ステーションによっては経験不問のところもあります。

病院のない離島や山の中で事故・災害が起こると、救急車では間に合わないことがあります。そんなときは、ヘリで現場に駆けつけ、救急処置や病院への搬送を行う「ドクターヘリ」が出動します。
ドクターヘリで活躍する看護師がフライトナースです。

救急看護師として救命救急センターで働きながら、出動要請時にはドクターヘリに搭乗します。
現場では医師・救急隊員と協力し、心肺蘇生などの処置をしたり、搬送時に患者の状態が悪化しないよう様子を見たりします。

看護師免許が必要なほか、救急医療の知識や経験が必要です。例えば、看護師として5年以上働き、そのうち3年以上は救急看護師として働いた経験を持っている、救急医療に関する資格を持っているなど、各医療機関が独自の基準を決めています。

都道府県など、地域で働く公務員の保健師です。地域住民が健康に過ごせるよう、病気を未然に防ぐための取り組みを行います。
子育て・介護なども含めた健康相談や感染症対策、難病の方への支援や生活習慣病の予防などに取り組みます。

例えば、保健所・保健センターなどに勤務する場合、地域の医療機関・福祉施設・自治体などへ医療・介護サービスの情報を共有したり、地域住民健康課題を調査したりします。

保健師になるための国家試験に合格したうえで、行政機関が実施している職員採用試験（公務員試験）に合格する必要があります。

妊娠・出産・産後のケアを専門とする仕事です。母親と赤ちゃんの健康を守り、専門知識を持ってサポートすることで、母親が自信を持って出産・育児に取り組めるようにします。

働く場所は病院、診療所、助産所が多いです。出産の介助、妊娠から産後までの母子の相談・保健指導、育児指導や不妊治療、思春期の相談に関わるなど生涯にわたって女性を支える仕事です。

助産師の課程を修了し、助産師国家試験に合格することが必要です。助産師国家試験は看護師国家試験に合格していることが前提となります。日本では助産師試験の受験資格は女性に限られています。

社会貢献を目的として活動するNPO（非営利団体）には、医療に関わる支援を行う団体も多く存在します。
例えば貧困や災害により医療の受けられない発展途上国の子どもたちを支えるなど、さまざまです。

病院などの看護師に近い看護業務を行うケースもあれば、健康相談対応などを中心に行うケースなど、多岐にわたります。

まずはどの団体があなたの夢や思いとフィットするのかを調べることから始めるのがおすすめです。医療に関わる団体では、看護師免許が必要とされるケースもあります。

校内で起きるケガや病気などさまざまな健康上のトラブルのケアを行い、心身ともに健康で安全な学校生活を送れるようサポートします。また、児童・生徒が自ら健康管理をできるように保健教育なども行います。

ケガ・病気の応急処置やストレスを抱えた子どもの相談などを行います。また、健康診断の実施や手洗い・消毒の指導、校内が健康に過ごせる環境なのかの検査なども養護教諭の仕事に含まれます。

養護教諭免許状の取得が必要です。
ただし、すでに看護師免許を取得している場合は養護教諭養成機関を卒業することで、早くて1年で養護教諭一種免許状を取得できます。
さらに、保健師免許を取得している場合は、申請のみで養護教諭二種免許状の取得が可能です。その後、教員採用試験を受けて合格することで働くことができます。

小さな子どもは思わぬケガをしたり、体調が急に変化したりします。そうした子どもたちの安全・健康を医療的な観点からサポートするのが保育園で働く看護師です。

日々の健康チェックや検温、ケガや病気の応急処置や保護者への連絡、アレルギーのある園児への対応、身体測定、保護者への健康・発達面でのアドバイス、園内の衛生管理などを行います。

必要なのは看護師免許のみです。保育園の看護師になるために特別な免許は必要ありません。

看護師として経験を積むと、ある特定の分野のスペシャリストになる道もあります。
認定看護師・専門看護師はそうした専門性を認められる資格です。例えば専門看護師では「がん看護」「災害看護」などの分野があります。

より高度なケアや他の看護師の相談に対応します。例えば、「がん看護」の専門看護師は抗がん剤の副作用などの管理を行います。
その他、認定看護師は現場の他の看護師への指導、専門看護師は新しい看護を考えるための研究をします。

どちらも看護師免許と、5年以上の経験が必要です。その上で、認定看護師になるには、大学の教育センターなどで半年～1年程度の研修を受けて認定審査に合格する必要があります。
専門看護師になるには、5年以上の経験のうち、3年以上専門分野で経験を積んでいる必要があります。その後、大学院で2年間学び、認定審査に合格することが必要です。

長時間労働など、働く環境に問題があると心身に不調をきたしたり、病気につながったりすることがあります。産業看護師・産業保健師は、働く人が健康で高いパフォーマンスを維持しながら働き続けられるよう、産業医や関係各所と連携しながらサポートします。

企業、もしくは健康保険組合で働きます。健康診断や保健指導、健康相談など労働者の健康管理に関する業務を行います。働きやすい職場環境づくりやワーク・ライフ・バランスの推進も行います。

看護師・保健師の両方の免許が必要な場合が多いです。未経験でも勤務可能ですが、企業によっては看護師として3〜5年の臨床経験があることを条件としているところもあります。

看護師免許を取得していることで、訪問看護ステーションや助産院などを開業することができます。そのほか、医療現場で働いていた人ならではの視点で新たな医療サービスを創業する人もいます。

働き方は起業する内容によって異なります。経営者として、事業の計画を作成し、スタッフの採用や教育などを行い、提供するサービスの質の向上に取り組みます。

多くの人はまず看護師として働き、経験を積みながら、そこで感じた課題を解決するために起業しています。ほかには看護師として働いた後に別の業界・業種へ転職し、そこで得た知識と看護師の経験を生かしながら起業する人もいます。

より効率的で質の高い医療を提供するために、電子カルテなどをはじめ、医療分野でもITの活用が進んでいます。そうした医療に関わるITサービスの開発・販売などで、医療知識を持つ看護師経験者が活躍しています。

看護の知識・経験を生かして、IT企業などで働きます。看護のアプリケーションの開発・運用の提案や電子カルテなどのソフトウエア提供などを行います。

企業では、医療現場の課題・ニーズを把握し、システム開発に生かせる人材を求めています。そのため、IT業界での経験は問われませんが、看護師免許を必須とする場合もあります。

どんな国・地域でも看護は必要なため、海外で看護師として働くという選択肢もあります。その国の医療システムや文化に合わせて、他の医療スタッフと連携し、患者の看護を行います。

患者の日常生活の支援や治療のサポート、退院後のケアや自己管理の方法などの指導を行います。また、現地の文化や習慣をよく理解し、それに合わせて患者や他の医療スタッフとの信頼関係を築くことも必要です。

日本と海外では必要な看護師免許の種類が異なります。海外で働く場合は、働きたい国の看護師免許が必要です。

安全な医療を提供するには、国の制度も大きく関わります。
看護系技官は医療・福祉などに関する制度を考えたり、医療機関の状況を確認したりする国家公務員です。医療・介護・労働、保健などの部署があります。

看護師免許を取得し、厚生労働省で公務員として働きます。
病院や地域での看護の経験を生かし、医療や福祉、介護などをよりよくするためのアイデアを考え、新しい制度を作ります。

看護師免許に加え、保健師もしくは助産師免許を取得していること、看護系大学・大学院を卒業していることが必要です。
また、看護に関する業務経験が7年以上あること、日本国籍を持つことも条件になります。